かせきさいだぁ
作詞家/ラッパー/ヒネモシスト/漫画家
誰にも頼まれずに執筆を続ける脱力系4コマ漫画「ハグトン」。
ハグトンの好物はカフェラテ(最近はソイラテ)だそう。

劔樹人のこんな風に過ぎて行くのなら

2010.12.10
第1回 杉作J太郎編 PART1 「男メーター発動!」

「愛しいあの人、卒業アルバムどんなんなんだろう?」
劔樹人が気になる愛しいあの人この人の思い出を、卒業アルバムを中心としたアーカイブス画像とともに掘り起こす インタビュー企画がいよいよスタート。記念すべき第1回目は劔が尊敬してやまないあの人! この男は実在する!

劔 :という訳で「劔樹人のこんな風に過ぎて行くのなら」記念すべき第1回目のゲストは杉作J太郎さんです!

J :いやーなかなか写真が出て来なくてすみません。

●卒アルがパッと出て来る40代はいないですから問題なしですよ!

J :いやーずいぶんお待ち頂いて、あそこじゃないかここじゃないかとずいぶん探してみたんですが、 結局1枚もありませんでした…。

劔 :……問題なしです! 第1回目から企画の意図を曲げてでも、杉作さんにお話を聞く事が最優先なので、 えー、昔の画像は似顔絵でお願いします。

J :お任せ下さい!





■クラスメイト女子に興味のなかった高校時代

劔 :この似顔絵はいつ頃ですか?

J :高校3年の頃ですね。

劔 :杉作さんはこの頃、クラスの女の子とかに一切興味がなかったんですよね。

J :この時はそうだったと思いますね。

●当時好きだったのが夏樹陽子でしたっけ?

J :そうです、そうです。でもね、女子の方が多かったんですよ、高3の時。

●田舎の文系のクラスってそうですよね。男子15人で女子30人とか。

J :そうそう、そんな感じ。まさにそうです。

●席替えでボク一人男子でまわり全部女子とか。普通にありました。

劔 :そうなんですか!

●いい匂いがするんですよね。窓から風が吹いて来ると。

J :でも全然興味なかったもんなあ。

劔 :クラスの女の子に可愛い子とかいたりしなかったんですか。

J :多分いたんだと思うんですけどね、興味がなかった。
まあでも高校の時、モテたのは事実なんですよ。

劔 :おぉー。

J :あれは自分でも不思議なもんで。

●いま思い返してみて、どこが魅力的だったと思いますか?

J :ガッついてなかったからじゃないですかね。

劔 :そういう人の方がモテるんですよねー。

J :だと思いますよ。ボクが今モテないのは女性に関心が強すぎるんだと思います(笑)。





J :同世代の女といえば、修学旅行の時に風呂を覗いたんですよね。

一同 :ワハハハー。

J :見た瞬間にもうガッカリしてね、体型が。エロ本で見てる体とは違う訳ですよ。

劔 :あー。

J :何かもうずんぐりしたね、このおしぼり丸めたような、そんなんですよ。

劔 :ワハハハー。

J :こんな裸ですよ、もうー。ドッチラケ。こりゃあダメだと思ってね。
もともと興味なかったのが、あ、でも興味なかったら行かないか。

劔 :付き合いとかもありますしね。

J :付き合いって、ボクが先頭でしたけどね。

一同 :ワハハハー。





●モテたっていうのは具体的にどういう感じのモテ方だったんですか?

J :気が付かなかったんですよ。気が付いたのは高校2年の時。交換日記とかしてましたからね。

劔 :それは向こうからですか?

J :俺からって事はないと思うんだよね、どう考えても。

●交換日記しようよみたいな。

J :だと思うんですけどね。で、交換日記してた子は、20歳くらいになった時に会ってくれないかって 言うんで会いましたよ。その子は地元、四国に住んでたんですけど、東京に出て来てるって。
花園神社の表で会いました。10分くらい立ち話して別れたんですよね。

劔 :えー。

J :俺、この後行かなきゃ行けない所あるからって。それで会ったんですよ、花園神社で。
辰巳出版行く前に会ったんですよ。

●もう漫画の仕事はされてたんですね。

J :始めてる時ですね、もうそれぐらいかな。性欲はあったんですけど。

●アハハハー

J :性欲もあったし、その同級生に対して、興味も当然好きな気持ちもあったと思うんですけど それを上回る「俺は男だ!」みたいな気持ちがあったんですよ。

劔 :ぐぁ…。

J :それを確実に上回っていたと思いますよメーターが。男メーターが。

劔 :男メーター!

●その男メーターってのは、誰に向けてとかいう訳でもないですよね。

劔 :そうなんですよね。

J :だから高倉健みたいな男ですよ。渡哲也とか。女が来ても「自分は……なんつってアタマかいたりなんかして」みたいな。
その男メーターってのがね、当時の若者にはあったと思うんですよ。

●誰かが見てる訳でもないのに。

J :今、ないものじゃないですかね。今の若い人に。





●東京に出て来て会いましょうっていうぐらいだから、その子も絶対好意はあるし。

J :ボクも好きではあったんですよ。

劔 :何処か行こうよって言えば、ついて来てくれたはずですよね。

J :まあ、あと童貞だったって問題もありますよね。

●ワハハハハー

J :気が利かないんだよね、どう考えても。男らしくありたいって気持ちと 気が利かないってところが一致したんだろうね。そりゃ強力ですよね。

劔 :アハハハ

J :もともと「何処泊まるの?」とか「一緒に泊まる?」とかそういう気のまわり方がない。
あと度胸もない訳でしょ。あらゆる事が一致してるからそりゃ冷たくなりますよね。

劔 :すべてが同じ方向を見てる訳ですよね。

J :そう、すべてが同じ方向を見てるんですよ。





●その女性とはそれっきりですか?

J :会ったのはそれが最後でしたね。

劔 :そうやって女の人とふたりで会うって、それがまず決まった時点でどうなるかスゴイ考えますよね。 もしかすると向こうは気があるかもしれない、もしくは嫌いじゃないかもしれないじゃないですか。 いろんなパターンを考えて。それでどう切り出すかっていう。この後どうする、飲みに行くとか何とか どう切り出すかとか、いっぱいシュミレーションすると思うんですよ。全くそういうのなしでただ…

J :なかったねー。

劔 :ブレのない…。

J :ブレがないんだよねー。

●ワハハハハハー

J :ブレるだけのゆとりもないっていう。ブレる事ができるていうのは大人ですよ。

●ハンドルに遊びがないというか。

J :そう思えばブレるのも大人ならではっていうね。

劔 :そうですねー。

J :こどもはブレられないもんね、ガハハハー。

劔 :かたくなですよね。

J :かたくなです。やっぱり、墓場プロで童貞の若者とか見てるとかたくなですよね。
童貞は頑固だもんねー。きっと童貞とか処女は頑固なんでしょう。





■アナログ時代のあまりにドラマチックな告白

J :ボクね、今思い出しましたよ。モテたのに気が付いたのは中3の時です。
絶対見つからないと思いますけど、卒業文集があったんですよ。中2まで私立の男子校(※1) 行ってて中3で共学のところ行って、そしたら女子にね、いじめられたんですよ。

劔 :はい。

J :いつもボクの事を、スゴい怒るんですよ。物とかも破られた記憶がありますね。
ちょっと恐怖症になってしまいまして。何でこんなひどい事をするんだろうって。

●ワハハハハー。

J :そしたら卒業文集が来て、卒業式の時に貰ったんだと思うけど、卒業文集見たらね、 その子がね、ボクの事が好きでたまらないって書いてるんですよ。好きでたまらなくて、 どうしても目の前にするとひどい事を言ってしまうみたいな。
で、今思えばアニメのまんまだよね、今流行りの(笑)。

●でも卒業文集って同級生みんな目にする訳ですよね。

J :そうですよ、メールとかもない時代だからね。

劔 :彼女としてはそれしか伝える手段がなかったんですね。もう捨て身ですよね。

J :捨て身ですよ。

●その子が杉少年を好きだって事は誰も気付いてなかったんですか?

J :いなかったと思いますよ。(ちょうど出て来た魚を食べて)美味しーっ!





■男メーター、発動!

J :まあでも同年代の女子に興味はあんまりなかったですね。同級生に居ましたけどね、同級生に興味を持ってる男が。

劔 :そういう男の子と女の子の話はしなかったんですか?

J :してました、してました。高校入学してすぐの頃に全然知らない奴が○組の○○さん、○組の○○さんとか見たかとか言って話しかけて来た奴がいて。10クラスあったんですけどそれぞれのクラスの可愛い子をチェックして回ってるって奴がいたんですよ。

劔 :いるんですよ、いるんですよねー。

J :入学早々でしたから、こいつ何者だよと思いましたけどね。

●女衒のような奴が。

劔 :そうなんですよ、いるんですよねー。





J :各学年で1組ってのがいちばんボロがいるクラスだったんですよ。
で、終業式の日に1組から順番に出て行くんですよね。
もうホントね、少年チャンピオンに出て来るようなクラスですよ。

●ウハハハハー

J :うわーもう最悪だなーなんて思ってたら、3年のクラス替えで1組だったんですよ。もうショックでねー。そしたらそのクラスにそいつが来てましたよ。入学早々、女チェックして回ってた奴が。

劔 :そこから仲良くなったりはしなかったんですか。

J :そいつが好きな奴がクラスに居るってんでね、応援はしてましたよ。応援してくれって言うんでね。そしたらある時フラれたみたいで、俺の前であの人の話はしないでくれって。そんである時、○○さん 何とかだったぞって言ったら怒り始めてね、一回大喧嘩したの覚えてますよ。ややこしい奴ですよね。

劔 :クラスの可愛い女の子をチェックしてまわるっていたなー、確かに。見に行こうって奴いましたね。

J :今思えばフラれるよね、そいつは。大事にしてもらえないよねー。今で言うDD(※2)ですよね。

劔 :そうですね、DDですねー。

J :推し人数が多いのはよくないよね。推し(人数)絞ってこそじゃないですか。
絞ってたから後藤(真希)も加護(亜依)もボクに親切にしてくれたんだと思いますよ。

劔 :アハハハー。

J :あれでボクがもうちょっとね、節操がなかったら…

劔:でもそれはホントそうじゃないですか。加護ちゃんとかにだって届いてますしね。

J :そうそう。あと後藤(真希)に会った時もね、正直に言ったんですよ。
仲良くしてくれたんですよ、ボクがすごい詳しいから。ずっと好きなんで。
番組が終わった時に、ディレクターが「いやー杉作さん、ホント後藤さんの事詳しいですねー」って 言ったら、ごっちんも「いやーホントですっ」なんて言って話してた時に「俺はここで嘘つく訳には いかないな」と思って。「はい、でもボクはあの加護ちゃんも大好きなんです」って。

一同 :アハハハハー

J :そしたら後藤(真希)が「うん、あいぼん可愛いですもんねー」って。

劔 :でも、そこでそれを言ってしまうのは、その10分で女の子と神社の前でさよならするのと同じ感覚ですよ。

J :男メーターですよ。

劔 :男メーターだ!

J :そこで後藤さん一筋とはやっぱ言えないんですよ。

劔 :嘘、つけない…(笑)。

J :この間、AKBに会った時もそうですよ。あそこでね「ボクはもうAKB大好きです」って言えばね、 話は楽なんだろうけど、正直に「ボクはハロープロジェクトを応援しています」って。

一同 :アハハハハー。

J :男メーターはそれを言わせてしまいますからね。

劔 :言わなくてもいいんですけどね。

J :そもそもアイドルが好きとか言わなきゃいいのにね。

劔 :そうなんですよ。

J :いちばん嫌われるよね。

●それを表明して得るメリットってあんまりないですよね。

J :でも、男メーターはそれを隠すのを許す訳にはいかない。

劔 :でもそれはちょっとボクも見習うべきところがあるなあ。

J :あれ、隠してんの?

劔 :や、隠してないです!

J :恋愛研究会。(※3)は隠してないよね(笑)

以降、PART2へ続く。

【脚注】
※1 私立の男子高:中四国の天才が集まる進学校。後輩にはロマン優光さんも。
※2 DD:「誰でも大好き(DaredemoDaisiki)」の頭文字を取ったもの。
※3 恋愛研究会。:劔率いるボンクラグループ。赤犬新vo.タカタカアキも在籍。東京大阪で細々と現在も活動中。

プロフィール

劔樹人
神聖かまってちゃん&撃鉄のマネージャーにしてあらかじめ決められた恋人たちへのベーシスト。株式会社恋愛研究会代表取締役でもある。最近はKARAに夢中。
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