2010.10.30
第2回
「I♥IKEA」2回目となりました。前回はIKEAの歴史と概要について振り返りましたが、今回は、IKEAで「コレを押さえておけば間違いない!」という定番商品。つまり、懐メロ狂いの上司とカラオケ行く時OLはテレサ・テンの「別れの予感」をセクシーに上目遣いで歌えば間違いない!というような、王道の商品をご紹介したいと思います。
1つ目は「エークトルプ(EKTORP)」。
一見スィーツのような名前ですが、IKEAで大人気のソファです。
1人掛け、2人掛け、3人掛けなど様々な種類があります。どれも低価格。IKEAではヒット商品が出ると大量生産となり、更にドンドン安くなるというシステムになっているようです。つまり人気商品を買えばドンドン安くなるのです。
エークトルプの特徴は、10年間の品質保証。カバー以外の箇所(詳しくはIKEAに確認)に不具合が見つかれば、10年間は保障してくれます。
そしてカバーを丸ごと洗濯できます。子供の頃、ある友達の家のソファが真っ赤で、その家のお母さんに「なんで真っ赤なの?」と聞くと、「このソファの上で猫の赤ちゃんが生まれたのよ」と言われ、大人になるにつれ「絶対違うでしょ、人妻よ!」と疑問が沸き起こってきたのですが、そんな汚れでも洗濯して消す事が出来ます。何よりも特徴は、体を包み込んでくれるような優しい感覚。体にぴったりとフィットするのです。色も何色もの種類から選べます。アバンギャルドで抜けるような女晴れの時は赤で、何かスタートしたい時は白で、汚したい気分の時は黒で。
続いても定番中の定番「ポエング(POANG)」です。
焼きそばみたいな名前ですが、体の曲線に合わせた1人用チェアです。座るとびっくり、揺りかごに揺られているような、ブランコに揺られているような、SLの揺れる椅子のような、なんとも落ち着く揺れがたまりません。
このポエングが誕生したのは、今から38年前、なんと1972年。
デザイナーはNoboru Nakamura氏。
スカンジナビアと日本の家具を融合した作品との事です。弾力感が気持ちよくて、折れるんじゃないか?と心配してしまいますが、耐久試験を何度もクリアしており、店内では機械で何度もポエングを叩きつけています。ポエングが可哀そうで悲鳴が聞こえてきそうですが、「わかった!もうわかったから!」と、思わず抱きしめたくなります。
椅子とくれば「机」。IKEAの定番の机は「ラック(LACK)」です。
とにかく「ちょうどいい大きさ」のテーブルです。しかもお値段は799円ですよお姉さん。
何個も組み合わてオリジナルのデザインにするのも楽しそうです。
フレームは木質ですが、中はハチの巣状の再生紙を詰めているそうです。だから硬くて軽いんですお母さん。
さぁ続いて収納の定番を。「クシーネル(KUSINER)」です。
一見首都高の大橋ジャンクションのようなデザインですが、洗濯物から雑貨から、なんでも入れる事が出来るすぐれものです。バネのようになっているので小さくたたむ事も出来ます。599円。帽子にしても良さそう。楠田枝里子さんにピッタリですね。蛇腹ドレスと併せてこの帽子をかぶって貰いたいです。
もうひとつ、収納の定番なのが「ストゥヴァ(STUVA)」。
とてもカラフルな収納棚です。子供部屋にはぴったりなのではないでしょうか?「おかあさんといっしょ」の世界観から飛び出して来たような色合いですね。
紅白歌合戦が好きな私は「ピンク」「ホワイト」「ピンク」「ホワイト」の組み合わせで部屋を埋め尽くしたい、そして溺れたいと思いました。
最後の定番は、IKEA港北店の2階から1階に降りるスペースにある、円形が集合したものです。
皆さん、これは何だと思いますか?ハチの巣?赤い照明を充てて、石川さゆり「天城越え」の浄連の滝を表現したセット?はい、正解は、ハンガーです!
マルチユースハンガー。衣類をかけたり、物をかけたり、なんでも出来るのです。
これを部屋中にかけると森にいるようで本当に楽しそう。これをワンピースに縫い付けたら、これまた楠田枝里子さんのドレスになりそうですね。愛川欽也が「枝里子!今日もIKEAのドレスかい?」となるほどの本番中に聞きそうです。懐かしいなぁ。あの呼び捨ての感じが好きだったなぁ。
このようにIKEAには「定番」と呼ばれる商品がたくさんあります。
ほんの一部です。照明売り場にも、玩具売り場のも鉄板があるようです。定番商品を眺めていると、どれも「懐かしい」感じがします。揺りかごに揺れるような感覚だったり、子ども頃に見ていた懐かしいデザインだったりします。決してIKEAは「新しい家具」が全面に出ているのではなく「親しみ」を感じるのです。そして「無駄がない」。そぎ落とされた美しさがあります。IKEAから「愛されるとは?」「親しまれる人とは?」という永遠の疑問、そして哲学を学べるような気がするのです。